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症例に学ぶ見逃してはいけないサイン-

紹介内容には、解説者の知識、経験、方針に基づく私見が含まれている場合があります。薬剤の使用にあたっては、各薬剤の最新の添付文書をご参照ください。

総合監修コメント

監修のコメント

耳鼻咽喉科外来における日常診療では患者数も多いため、短時間に的確に診断し、治療方針を決定する必要がある。各々の主訴に対して頻度の高い疾患を順に考えていくことで多くは診断できるが、その裏でたとえ多忙な外来の中であっても「見逃してはいけないサイン」に気付かず、思わぬミスを犯す危険性がある。
このようなサイン・兆候を単発的に取り扱い解説・報告している書籍はあるが、主要な耳鼻咽喉科疾患の主訴を取り上げ、耳鼻咽喉科外来を訪れる患者に潜むサイン、診療上見落としてはならないポイントについてWeb上にて解説した本企画は初めての試みと言える。
本コンテンツの内容は、まずその主訴を特徴とする主要疾患の具体的な症例を提示し、自他覚的症状や検査所見の解説をし、次いでその主訴で訪れる患者の鑑別診断において「見逃してはいけないサイン」を記した。さらに、診断のポイントならびに疑うべき疾患を解説し、最後に担当した医師の実践的なコメントを掲載している。このような構成にすることで、実地医科の先生方に「見逃してはいけないサイン」をよりイメージいただけるようにした。
本コンテンツは単に「見逃してはいけないサイン」の羅列ではなく、一つの主訴に対する鑑別診断や診療の進め方に関しても詳述されており、耳鼻咽喉科診断学の教科書としても通用する内容となっている。
若手の先生のみならずベテランの先生方にも、日常診療における重要な留意事項として是非とも目を通していただきたい。
本企画が実際の臨床の場面で患者と向き合う先生方の診療の一助になれば幸いである。
鹿児島大学大学院医歯学総合研究所
耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 教授
黒野 祐一

New Arrival(新着)

耳鳴(耳が鳴る、音が変に聞こえる、頭が鳴る)

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奈良県立医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学 教授 北原 糺先生
耳鳴とは、外部の音が存在しない状況で音の知覚を生じる現象である。20歳代の約5%、65歳以上の約15%が耳鳴を自覚している。原因が加齢によるものであれば対症療法になるが、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など、内耳疾患が原因である場合は当該疾患の治療が必要となる。

一覧情報

耳鳴(耳が鳴る、音が変に聞こえる、頭が鳴る)

A4 2P (326.2 KB)

奈良県立医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学 教授 北原 糺先生
耳鳴とは、外部の音が存在しない状況で音の知覚を生じる現象である。20歳代の約5%、65歳以上の約15%が耳鳴を自覚している。原因が加齢によるものであれば対症療法になるが、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など、内耳疾患が原因である場合は当該疾患の治療が必要となる。

嗅覚障害 (変なにおいを感じる)

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三重大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 准教授 小林 正佳 先生
嗅覚障害はにおい感覚が減弱または脱失した状態である量的嗅覚障害と、本来とは異なるにおいを感じる質的嗅覚障害に大別される。質的嗅覚障害の代表的なものに異嗅症があり、その原因は器質的疾患から精神的疾患まで多岐にわたる。よって、異嗅症が生じている原因を正しく診断することが重要である。

耳痛 ( 耳が痛い)

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九州大学大学院医学研究院 臨床医学部門 外科学講座 耳鼻咽喉科学分野  中川 尚志 先生
耳痛を伴う骨破壊性病変の原因には炎症性疾患や良性、悪性の腫瘍性疾患などがある。日常診療で出会う機会は少ないが、対応を知っておかないと、重篤な経過をたどる症例も含まれている。局所所見のみでは判断できないことが多いので、主たる疾患についての知識を整頓し、鑑別疾患に挙げることができるようになっておかないといけない。

嗅覚障害(においがわからない)

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金沢医科大学病院 耳鼻咽喉科 教授  三輪 高喜 先生
嗅覚障害の原因は多岐にわたり、それぞれ治療方法も異なる。原因として最も多いのは慢性副鼻腔炎を始めとする鼻副鼻腔炎であり、特に好酸球性副鼻腔炎では嗅覚障害は必発といっても過言ではない。次いで多いのが、感冒後嗅覚障害と外傷性嗅覚障害である。原因が特定できない嗅覚障害患者も少なくなく、そのほとんどは加齢に伴うものであるが、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の初期症状としても嗅覚障害が起こりうるので注意が必要である。

鼻痛 (鼻が痛い、頬が痛い)

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和歌山県立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授 保富 宗城 先生
急性鼻副鼻腔炎は、鼻漏・顔面痛(前頭痛)・鼻汁を主訴とする感染症であり、歯性上顎洞炎として発症する場合もある。上顎癌は病初期には自覚症状に乏しいことが多く、鼻副鼻腔炎と同様の症状を呈することもある。頬部痛を伴う一側性上顎病変の診断においては、上顎癌に注意が必要である。